ダーツのメンタル:集中力と自信を保つ方法

ダーツのメンタルについて研究でわかっていること。ルーティン、プレッシャーの中での練習、セルフトーク、イメージトレーニング、試合で平均が下がる理由の確かめ方。

更新日 2026年9月28日 · 12 分で読めます

ダーツのメンタルとは、大事な場面でも同じ投げ方を続ける力のことです。上がりの1本、人に見られているとき、リーグの試合で長く待ったあと。いちばん裏づけがあるのはパフォーマンス前のルーティン、つまり毎回投げる前に行う同じ短い考えと動作です。112の効果量をまとめたメタ分析では、ルーティンはスポーツの成績を上げ、実験ではプレッシャーが低いときにも高いときにも中程度から大きな効果がありました(Rupprecht ら、2021年)。プレッシャーの中での練習、役に立つセルフトーク、イメージトレーニングにも研究の裏づけがあります。一方で、よく言われる「ダーツのメンタル術」の多くには、裏づけが見つかりません。

方法 研究でわかったこと 根拠の強さ
パフォーマンス前のルーティン 成績が上がる。プレッシャーの下でも メタ分析、112の効果量
プレッシャーの中での練習 不安な状態で練習した熟練のダーツ選手は、不安のテストでも成績を保った 1研究、17人
セルフトーク 中程度のプラスの効果。細かい動作には指示型の言葉が有効 メタ分析、32研究
イメージトレーニング 中程度の効果。実際の練習との組み合わせが最もよい メタ分析
集中する場所(的か腕か) ダーツ投げでは結果が分かれ、一律の勝者はない 系統的レビュー、19研究

このページはスポーツのパフォーマンスについての内容で、医療や治療のアドバイスではありません。

ルーティンを作る

ルーティンとは、選手が実行の前に決まって行う「課題に関係した考えと動作」のことです(Rupprecht ら、2021年)。このメタ分析では、効果はルーティンの種類によらなかったので、大事なのは特定の選手のまねではなく、自分のルーティンを持って毎回使うことです。始めやすい例です。

  1. まず足。 毎ラウンド、スローラインの同じ位置に前足を置きます。
  2. 持ち方の確認。 毎回同じようにダーツを指に収めます。
  3. 的を見る。 トリプル20の真ん中など、ねらう点を決めて視線を止めます。
  4. ひとことの合図。 「なめらかに」「最後まで」など、短い指示の言葉。
  5. いつものペースで投げる。 緊張しても速くしない。

ペースが大事な理由:プロのダーツ選手47人の研究で、悪い結果の前は良い結果の前より準備の時間が短く、表情にも緊張や不安が多く見られました(Furley ら、2021年)。これは関連であって原因ではありませんが、急いでいることは自分でも気づきやすいサインです。ダブルの前に急いでいると気づいたら、足の位置からルーティンをやり直しましょう。

大事なのは何秒かけるかではなく、同じことをすることです。NBA のプレーオフのフリースロー284本では、いつもの手順どおりのシュートの成功率は83.77%、手順を変えたシュートは71.43%で、ルーティンの長さは関係ありませんでした(Lonsdale と Tam、2008年)。バスケットボールの観察研究ですが、上のダーツの研究と合う結果です。

プレッシャーの中で練習する

ある実験では、熟練のダーツ選手17人が、ふつうに練習するか、クライミングウォールの高い位置で不安を感じながら練習しました。その後の不安のテストで成績を保ったのは、不安の中で練習したグループだけで、「不安、心拍数、努力感は高かったにもかかわらず」でした(Oudejans と Pijpers、2009年)。小さな研究ですが、応用は簡単です。練習に何かを賭けましょう。

  • 外すと点数を失う練習ゲームをする。たとえばマシンのハーフイットや、ボブズ27(ダーツのゲームの種類)。
  • 一人でトリプル20を投げ続けるより、友だちと試合形式で投げる。
  • 練習の最後は、決めたダブルに入れるまで終わらない。

セルフトークとイメージトレーニング

セルフトーク: 32研究のメタ分析で、セルフトークの介入には中程度のプラスの効果がありました。細かい動作では、励ましの言葉より「最後まで振る」のような指示の言葉のほうが効果的でした(Hatzigeorgiadis ら、2011年)。ダーツは細かい動作なので、合図の言葉は具体的にしましょう。

イメージトレーニング: 投げる動作とダーツが刺さる様子を思い浮かべることです。メタ分析で全体として中程度の効果(d=0.43)があり、実際の練習と組み合わせたほうが練習だけより効果的でした(Simonsmeier ら、2020年)。ルーティンの中で数秒使うのがよく、投げる練習の代わりにはなりません。

どこに集中するか

「腕ではなく、必ず的に集中せよ」と聞いたことがあるかもしれません。ダーツ投げについては、19研究、923人を対象にした2026年の系統的レビューが、どちらかの集中の仕方が一律に有利だという結論は支持されないとしています(Feng ら、2026年)。多くは実験室の課題で、初心者を対象にしたものでした。

最後に的を見つめる「クワイエットアイ」も同じです。スポーツ全体では熟練者のほうが長い傾向があります(Lebeau ら、2016年)。ただ、熟練のダーツ選手の研究では、長いクワイエットアイは慣れない投げ方には引き継がれず、熟練の原因ではなく結果かもしれないと示唆されています(Flindall ら、2020年)。ルーティンの中で落ち着いて見るのはよいことですが、それだけで投げ方が直るとは期待しないでください。

投げ方の動きそのものについて、大阪大学の研究者が熟練者と初心者を比べた研究はダーツの投げ方で紹介しています。

試合で平均が下がるのはなぜか

リーグの夜は家より平均が低い、という声があります。ただ、アマチュアでこれを測った研究は見つかりませんでした。どのくらい下がるのが普通かは言えません。プロについては結果が分かれます。

  • プロのダーツの32,274本の分析では、プレッシャーで崩れる証拠も、逆に良くなる証拠も見つかりませんでした(Ötting ら、2020年)。
  • 2018年から2021年のプロの26,724のパフォーマンスの分析では、観客がいると無観客より、アレンジ成功率と3ダーツ平均がわずかに下がりました(Greve ら、2023年)。
  • 世界のトップ選手10人では、試合が進むにつれてトリプル20の命中率が下がりました(Stins ら、2018年)。
  • 2017年の PDC 世界選手権では、ラウンドの1本目が2本目、3本目より不正確でした(36,168スコア、Wunderlich ら、2020年)。著者は、緊張ではなく、スローラインを離れたあとの調整し直しと説明しています。

どれも、あなたの平均が下がる理由は教えてくれません。プレッシャーは候補の1つで、ほかにもボードや照明の違い、長い待ち時間、ウォームアップの本数の少なさなどが考えられますが、アマチュアで測られたものはありません。確かめる方法は、測ることです。

Darts Counter で測る

Darts Counter は統計をプレイヤーごとに残し、プレイヤーはいくつでも作れます。メニューは英語表示です。自分用に2人作りましょう。たとえば「田中」を練習用、「田中 試合」を試合用にして、いつも正しいほうで数えます。数週間後に統計を開いて、平均、1レグの本数、最高の上がり、60+、100+、140+ のラウンド数を比べます。

  • 差が大きければ、上のように試合に近い条件で練習を増やす。
  • 差が小さければ、試合の緊張は思ったほど点数に響いていないのかもしれません。
  • 数回の夜では判断できません。たくさんのレグで比べましょう。

ソフトダーツのマシンの試合は、マシンの記録で見てください。Darts Counter はマシンと連動しないので、マシンの成績は取り込めません。アプリの試合と通算の平均はレグの平均の平均です。全部の本数で計算する方法との違いはダーツ スタッツの計算方法で説明しています。全ゲームを無料でカウントできます。

ダーティティス(イップス)

ダーツを急にうまく離せなくなる状態を、選手たちはダーティティス(dartitis)と呼びます。英語版 Wikipedia は、運動障害の一種であるジストニアの一形態と考えられているとし、ゴルフのイップスと比べています。気持ちの弱さではありません。このページでは扱いません。そうなったときは、医師に相談してください。

あわせて読みたい

出典

執筆:FLAME Apps(2015年から Darts Counter を開発)。2026年9月28日確認。研究は PubMed または OpenAlex の抄録で読みました(いずれも英語)。

  • Rupprecht, Tran, Gröpel (2021). The effectiveness of pre-performance routines in sports: a meta-analysis. International Review of Sport and Exercise Psychology, 17(1), 39から64. doi:10.1080/1750984X.2021.1944271
  • Furley, Klingner, Memmert (2021). Nonverbal pre-performance expressions of professional darts players distinguish between good and poor performance. Scientific Reports, 11, 20147. PubMed 34635761
  • Oudejans, Pijpers (2009). Training with anxiety has a positive effect on expert perceptual-motor performance under pressure. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 62(8), 1631から1647. PubMed 19123115
  • Hatzigeorgiadis, Zourbanos, Galanis, Theodorakis (2011). Self-talk and sports performance: a meta-analysis. Perspectives on Psychological Science, 6(4), 348から356. PubMed 26167788
  • Simonsmeier, Andronie, Buecker, Frank (2020). The effects of imagery interventions in sports: a meta-analysis. International Review of Sport and Exercise Psychology, 14(1), 186から207. doi:10.1080/1750984X.2020.1780627
  • Feng, Shangguan, Zhu (2026). Effects of internal and external attentional focus on dart-throwing performance: a systematic review. Frontiers in Psychology, 17, 1923857. PubMed 42755506
  • Lebeau ら (2016). Quiet eye and performance in sport: a meta-analysis. Journal of Sport and Exercise Psychology, 38(5), 441から457. PubMed 27633956
  • Flindall, Sinnett, Kingstone (2020). The quiet eye and expertise: sustained fixations do not transfer to unpracticed throws among expert dart players. Journal of Sport and Exercise Psychology, 42(4), 269から279. PubMed 32585637
  • Ötting, Deutscher, Schneemann, Langrock, Gehrmann, Scholten (2020). Performance under pressure in skill tasks: an analysis of professional darts. PLOS ONE, 15(2), e0228870. PubMed 32084161
  • Greve, van Meurs, Strauss (2023). Elite darts performance and the social influence of real crowds and simulated crowd noise. Scientific Reports, 13, 12346. PubMed 37524747
  • Lonsdale, Tam (2008). On the temporal and behavioural consistency of pre-performance routines. Journal of Sports Sciences, 26(3), 259から266. PubMed 17943592
  • Wunderlich, Heuer, Furley, Memmert (2020). A serial-position curve in high-performance darts. Psychological Research, 84(7), 2057から2064. PubMed 31179520
  • Stins, Yaari, Wijmer, Burger, Beek (2018). Evidence for sequential performance effects in professional darts. Frontiers in Psychology, 9, 591. PubMed 29755389
  • Wikipedia(英語)、Dartitis(2026年5月27日版)
よくある質問

知っておきたいこと

ダーツで集中力を保つには?

毎回同じ短いルーティンを使います。構え、持ち方、的を見る、投げる、を同じペースで。112の効果量をまとめたメタ分析で、パフォーマンス前のルーティンはスポーツの成績を上げ、プレッシャーの下でも効果があったと報告されています。

試合になると緊張して練習より下手になるのはなぜ?

アマチュアでこれを測った研究は見つからなかったので、どのくらい下がるのが普通かは言えません。プレッシャー、待ち時間、いつもと違うボード、見ている人など、いろいろな理由が考えられます。練習と試合でプレイヤーを分けて記録し、平均を比べて確かめましょう。

イメージトレーニングは効果がありますか?

スポーツ全体では、イメージトレーニングに中程度の効果(d=0.43)があり、実際の練習と組み合わせたほうが練習だけより効果的だったというメタ分析があります。投げる練習の代わりではなく、練習と一緒に使いましょう。

腕の動きと的、どちらに集中すべきですか?

ダーツでは研究の結果が分かれています。ダーツ投げの19研究をまとめた2026年のレビューは、的に集中する方法と動きに集中する方法のどちらかが一律に有利とは言えないとしています。落ち着いて同じ投げ方ができるほうを選びましょう。

アプリを入手

Darts Counter: Scoreboard

スコアと3ダーツ平均を自動計算。毎投アレンジも提案します。

Android のスマートフォンとタブレットに対応しています。

Google Play で手に入れよう
スキャンして Android スマホにインストール

全ゲーム無料でカウント120万+ ダウンロード

アプリは英語表示です。