自分史の書き方:親や祖父母の思い出を声で残す方法

自分史の書き方を、話してから書く方法で解説。テーマと年表の作り方、親や祖父母への聞き書きの進め方と質問リスト、録音から章にする手順と例文まで。

更新日 2026年9月26日 · 9 分で読めます

書くのに時間がかかる人にとって、いちばん楽な自分史の作り方は、先に話して、後で書くことです。何についての自分史かを決め、入れたい出来事を書き出し、一つずつ声に出して短く録音し、文字起こしを後から章にまとめます。同じ方法で、親や祖父母の思い出を残すこともできます。聞き手が質問し、相手が話し、文章は録音から作ります。

手順 すること
1. 範囲を決める 一つのテーマや時期か、人生全体か
2. 出来事を並べる 大事な場面を入れた、おおまかな年表
3. 回に分けて録音する 一回の録音に一つのテーマ、質問を手がかりに
4. 文字起こしする 言葉を文字にする。音声は残しておく
5. 章に整える 文字起こしを読みやすい文章に
6. 確認して並べる 名前、日付、写真、章の順番

就職活動の自己分析で書く「自分史」とは目的が違いますが、年表を作って出来事を書き出す手順は同じように使えます。

自分史の書き方:手順

  1. テーマを決める。 農家で育った子ども時代、海外で暮らした年月、子育て、仕事の歩みなど、一本の筋があると書き始めやすくなります。人生全体でももちろん構いません。
  2. おおまかな年表を作る。 住んだ場所、出会った人、転機を一行ずつ書きます。これが章立ての元になり、書きながら変わっていきます。
  3. いちばん覚えている出来事から始める。 生まれた日から始める必要はありません。うまく話せる話が、弾みをつけてくれます。
  4. 声に出して話す。 友人に話すように、誰がいて、何を見て、何を言われて、自分にとって何だったのかを話します。まとめより具体が大切です。「普通の朝だった」より「台所に焦げたトーストのにおいがしていた」のほうが多くを伝えます。
  5. 一回の録音に一つの話。 短い録音のほうが、文字起こしも、探すのも、並べ替えるのも楽です。
  6. 文字起こしして、音声も残す。 文字起こしは材料です。録音には声が残り、家族にとってはそれが何より大切になることもあります。
  7. 文字起こしを章に整える。 繰り返しを削り、出来事を順番に並べ、その人らしい言い回しは残します。
  8. 事実を確かめ、すき間を埋める。 親戚に聞き、写真、手紙、書類で日付や名前を確認します。

親や祖父母の思い出を聞き書きする

自分のことより急ぎたいのが、親の子ども時代や、祖父母が故郷を離れたときの話かもしれません。この場合の方法は、インタビューです。

始める前に:

  • 了承を得る。 何を、なぜ録音するのか、誰が聞いたり読んだりするのか、音声がどこに保存されるのかを説明します。クラウドの文字起こしを使うなら、音声が処理のためにアップロードされることも伝えます。
  • 約束ごとを決める。 答えたくない質問は飛ばせること、いつでもやめられること、ほかの人より先に本人が文章を読めること。
  • 静かな部屋を選ぶ。 テレビを消し、スマホは二人の間の机の上、話す人の近くに置きます。

話を聞くときは:

  • 答えの広がる質問を一つずつして、あとは聞きます。
  • 具体的なことを掘り下げます。「その家はどんな間取りだった?」「お母さんは何と言ったの?」
  • 疲れないうちに終えます。長い一回より、短い何回かのほうがうまくいきます。
  • 録音の最初に日付とテーマを言っておくと、後で整理しやすくなります。

録音には相手の了承が必要です

録音するのは、了承してくれた人だけにしてください。録音や個人の情報の扱いについての決まりは国や状況によって異なります。家族であっても、何のために録音し、誰が聞くのかを伝えてから始めましょう。この内容は一般的な情報であり、法的な助言ではありません。

聞き書きの質問リスト

章ごとに並べた、私たちが作成した質問です。

いちばん古い記憶:覚えているいちばん古い出来事は何ですか?
生まれた頃:いつ、どこで生まれましたか?家族は何人でしたか?
子ども時代:子どもの頃の日曜日は、どんな一日でしたか?
家:育った家を、部屋ごとに説明してください。
学校:学校は好きでしたか?忘れられない先生はいますか?
仕事:初めての仕事は何で、いくらもらいましたか?
引っ越し:生まれた土地を離れたのはなぜですか?何を持っていきましたか?
出会い:パートナーと出会った日のことで、覚えていることは?
家族:親になって、いちばん驚いたことは何ですか?
つらかった時期:いちばん大変だった年はいつで、何が支えになりましたか?
変化:二十歳の頃に思い描いていた人生と、今はどこが違いますか?
残したいこと:孫に知っておいてほしいことは何ですか?

録音から章へ:Retexta の場合

Retexta は、話した内容をクラウドで文字起こしし、AI が文章に仕上げる Android アプリです。録音を文字にし、その文章を整えることもできますが、最後に決めるのは聞き手と話し手です。アプリのメニューは英語なので、ボタン名は英語のまま書いています。

  1. Retexta を開き、New task をタップします。
  2. What do you want to do? で目的を選びます。次のものは More templates の中にあります。
    • Transcript only:AIによる書き直しをしない、話したとおりの文字起こし。元の記録として最適です。
    • Journal entry:話した思い出を、流れのある文章にします。アプリは「Never invents things you did not say」(話していないことは作らない)としていますが、それでも必ず読んで確認してください。
    • Take notes:整理されたメモ。年表や、名前と場所の一覧を作るのに便利です。
    • Something else:作業を自分で指示します。例:「自分史の一章として、一人称で、本人の言い回しを残して文章にしてください。」
  3. Record audio をタップして録音するか、別のアプリで録音した場合は Import audio でファイルを取り込みます。
  4. 録音を止めると、Retexta がサーバーで文字起こしし、書く目的を選んでいれば文章を書きます。日本語で話せば、日本語の文章になります。
  5. 自分の記憶や録音と照らし合わせて読み、名前、地名、日付を直します。

Retexta は録音の音声をスマホに30日間保存し、その後は容量節約のために削除します。声を残したい場合は、録音のメニューの Export audio で音声ファイルを書き出し、クラウドストレージなど安全な場所に保存してください。

Import audio と、Transcript only 以外のすべての目的は Retexta Pro の機能です。Retexta は無料で試せます。新規ユーザーは、Pro の結果をいくつか無料でアプリ内に表示できます。コピー、共有、エクスポート、スクリーンショットと、無料の結果を使い切った後のご利用には、Retexta Pro またはクレジットが必要です。AIの結果には「AI-generated. Check important details.」と表示されます。

例:話した思い出から、最初の下書きへ

次の例は、考え方を示すために私たちが作成したものです。アプリの実際の出力ではなく、結果は毎回異なります。

祖母が話した内容(話したとおりの文字起こし):

東京に出てきたのはね、あれは昭和39年、春だったかな。
父がね、1年先に行ってて、手紙しかなかったのよ。
船で、あ、違う違う、汽車ね、夜行の汽車。私は9つで、あんなに長く乗ったのは初めて。
弟はずっと具合が悪くてね。
上野に着いたら雨で、父が花束持って立ってて、その花がびしょびしょで。
最初、父だってわからなかったの。ひげを生やしてたから。
母はもう、ずっと笑ってた。

最初の下書き(Journal entry):

私たちが東京に出てきたのは、昭和39年の春でした。
父は1年先に上京していて、それまで父とつながっていたのは手紙だけでした。
私は9歳で、夜行の汽車にあんなに長く乗ったのは初めてでした。
弟は道中ずっと具合を悪くしていました。
上野に着くと雨が降っていて、父はびしょ濡れの花束を持って立っていました。
ひげを生やしていたので、最初は父だとわかりませんでした。
母は、ただずっと笑っていました。

下書きには、濡れた花束、ひげ、笑い声という祖母の細部と出来事の順番が残り、「船で、あ、違う」という言い直しは省かれています。ただ、その言い直しは余白にメモしておく価値があります。家族は、話がどう語られたかも知りたいものです。

自分史づくりを楽にするコツ

  • ファイル名をわかりやすく。「録音14」より「2026-09-20 祖母 上京の日」。
  • 元の文字起こしを残す。 整えた章の隣に置いておくと、後で必ず役に立ちます。
  • 写真や書類を章ごとに集める。 手紙、通知表、切符など、作りながら集めます。
  • 本人に章を読んでもらう。 その人の話です。何を残すかは本人が決めます。

あわせて読みたい

何を書くか決まる前に頭の中を出し切るならブレインダンプのやり方、長い聞き取りの録音にはインタビューを文字起こしする方法が役に立ちます。話すことで考えを文章にする方法は、YouTubeの台本の作り方でも紹介しています。海外に住む家族のために別の言語でも残したいなら、日本語で話して英語のテキストにする方法をどうぞ。ほかのアプリで録音した音声はAndroid のボイスメモを文字起こしする方法で文字にできます。アプリについて詳しくはRetexta、Android 向けの AI 文字起こしアプリをご覧ください。

出典

FLAME Apps が2026年9月26日に確認しました。

  • Retexta:目標とプランの名称は、アプリ(リリース 2026.1.23、英語メニュー)と Google Play の掲載情報の表示どおり。Journal entry の説明「Never invents things you did not say」と、音声の30日間の保存(アプリの表示「Audio is only kept on this device for 30 days to save storage」)はアプリの文字列で確認しました。
  • 検索語:Bing のサジェスト(ja-JP、2026年9月26日)。「自分史 書き方」の候補に「テンプレート」「例文」「高齢者」「就活」「es」など。
  • 質問リストと例:FLAME Apps がこのページのために作成しました。
よくある質問

知っておきたいこと

自分史は何から書き始めればよいですか?

まずテーマか期間を決め、場所、人、転機を一行ずつ並べた簡単な年表を作ります。書き始めるのは生まれた日からでなくて構いません。いちばんはっきり覚えている出来事から始めると、筆が進みます。

書くのが苦手でも自分史は作れますか?

作れます。先に話して、後から書く方法があります。一つの出来事を一回の録音で話し、文字起こしを材料にして、読みやすい文章の章に整えます。家族に聞き手になってもらうと、思い出が出てきやすくなります。

親や祖父母の話を録音するときに気をつけることは?

何を、何のために録音し、誰が聞いたり読んだりするのかを説明して、了承を得てから始めます。クラウドの文字起こしを使うなら、音声がサーバーに送られることも伝えます。答えたくない質問は飛ばしてよいこと、いつでも止められること、文章は本人が先に読めることも約束しておきます。

聞き書きではどんな質問をすればよいですか?

「いちばん古い記憶は?」「子どもの頃の日曜日はどんな一日だった?」のように、答えが一言で終わらない質問を一つずつします。答えの中の具体的なことを掘り下げると、話が広がります。このページに章ごとの質問リストがあります。

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